2020年2月11日火曜日

イメージファイルを使ってOSをインストールする

0. はじめに

本ページでは、Raspberry PiのOSである Raspberry Pi OS を、「イメージファイル」と呼ばれるものを用いてインストールする方法を解説します。Raspberry Pi OS は 2020年5月以前は Raspbian (ラズビアン)という名称でした。名称が変わっただけで同じものです。

なお、2020年3月に発表されたRaspberry Pi Imagerによるインストール法では、イメージファイルを用いた最新版のOSのインストールがより簡単になっています。 ですので、通常は「Raspberry PiへのOSのインストール方法」を参考にRaspberry Pi Imagerを用いるのが良いでしょう。

以下では、古いOSのイメージを選んでインストールしたいなどに使える方法を紹介します。

1. 拡張子の表示

イメージファイルによってOSをインストールする際、Windows において「ファイルの拡張子」を表示する設定にしておくのをお勧めします。 ファイルの拡張子とは、 ファイル名「2022-01-28-raspios-bullseye-armhf-full.zip」における「.zip」部や ファイル名「2022-04-04-raspios-bullseye-armhf-full.img.xz」における「.img.xz」部のことを指します。

Windows のデフォルトの設定では、この拡張子が表示されない設定になっており、そのままだと解説において混乱を招くと考えられるからです。

Windows 10 の場合、エクスプローラーを起動し、下図のように「表示」タブ内の「ファイル名拡張子」にチェックを入れることで、拡張子が表示されるようになります。
Windows 11 の場合、エクスプローラーを起動し、下図のように「表示」→「表示」とたどって、「ファイル名拡張子」にチェックを入れましょう。
以上の準備ができたら先に進みます。

2. 必要なものの準備

それでは、「Raspberry Pi OS のイメージで OS を インストールする」方法を解説します。まず、皆さんが普段お使いの PC で Raspberry Pi OS のイメージをダウンロードします。
にアクセスしましょう。

下図のようなページが現れますので、「Raspberry Pi OS with desktop and recommended software」の「Download」ボタンをクリックします。

すると、(執筆時点では)2022-04-04-raspios-bullseye-armhf-full.img.xz という名前の圧縮ファイルがダウンロードされます。
古いOSイメージを試したい場合、JAISTの下記のリンクをたどると良いでしょう。
あるいは、OSのバージョンを指定してダウンロードしたい場合、下記のリンクをたどると良いでしょう。 古い OS のファイルをダウンロードした場合、例えば「2022-01-28-raspios-bullseye-armhf-full.zip」というファイル名となっていることがあります。
まとめると、ダウンロードしたファイルは、OSのバージョンによって「ファイル名.img.xz」または「ファイル名.zip」のどちらかの名称であるということです。

本ページのタイトルに「イメージファイルを使って」とありますが、ダウンロードしたファイルはこの「イメージファイル」を「圧縮」したファイルです。圧縮の手法が、拡張子に表示されている「xz」や「zip」であるというわけです。

ですから、ここからの流れは通常ならば「圧縮ファイルを『展開』してイメージファイルを取り出す」→「イメージファイルを microSD カードに書き込む」 となります。しかし、本ページでは「展開」という作業は行わす、圧縮されたファイルのまま作業を続けます。 その理由は以下の二つです。
  • microSD カードに書き込むためのツール Raspberry Pi Imagerは、圧縮されたイメージファイルのままでmicroSDカードへの書き込みができる
  • xz で圧縮されたファイルは、Windows のデフォルト環境では展開できない
以下で、圧縮されたイメージファイルをそのまま microSD カードに書き込む方法を解説します。なお、便宜上「圧縮されたイメージファイル」のことを「イメージファイル」と呼ぶことがありますので、混乱しないようご注意ください。

3. Raspberry Pi Imager による OS イメージの microSD カードへの書き込み

ここでは、2020年3月に発表された新しいRaspberry Pi用OSのインストールソフトウェアであるRaspberry Pi Imager を用いてイメージファイルを microSD カードに書き込む方法を紹介します。Raspberry Pi Imagerのインストール法は 「Raspberry PiへのOSのインストール方法」をご覧ください。

インストール済のRaspberry Pi Imagerを起動するには、検索窓で「ras」などと記入して現れるRaspberry Pi Imagerをクリックします。
さて、起動したRaspberry Pi Imagerで「OS (Operating System)」の部分の「OS を選ぶ (CHOOSE OS)」ボタンをクリックしましょう。現れた画面で下図のように「カスタムイメージを使う (Use custom)」を選択します。
すると、イメージファイルの選択画面になりますので、先ほどダウンロードしたファイルを指定します。下図は、ファイル「2022-04-04-raspios-bullseye-armhf-full.img.xz」を指定している様子です。なお、下図でファイル名が「.img.xz」の部分まで表示されているのは、本ページ冒頭で拡張子を表示する設定をしたためです。
次に、Raspberry Pi Imagerで、「ストレージ (SD Card)」の部分の「ストレージを選ぶ (CHOOSE SD CARD)」ボタンをクリックしましょう。microSDカードが接続済であれば下図のようにカードが現れますので、クリックして選択しましょう。

なお、外付けハードディスクなどをPCに接続しているとこの選択肢が複数現れます。microSDカードを表す適切な方を選択しないと皆さんの大切なデータが壊されてしまいますので注意して選択しましょう。
あとはRaspberry Pi Imagerで「書き込む (WRITE)」ボタンをクリックしましょう。「本当に続けますか?」という警告に「はい」を選択すると、 下図のように書き込み (Writing)が始まります。確認 (Verifying)までが終わると、書き込みが終了します。
下図の画面が出たらmicroSDカードを取り外し、その後Raspberry Pi Imagerを終了しましょう。取り外した microSD カードを Raspberry Pi にセットして起動することになります。


4. hdmi_safe=1 の設定

さて、Pi 4 で OS イメージをインストールしてもディスプレイに映像が映らない、という場合がまれにあります。多くの場合、Raspberry Pi とディスプレイとの相性が原因のようです。 そのような場合の対処法である「hdmi_safe=1」の設定方法を解説します。

先ほど Raspberry Pi から取り外した microSD カードを再び PC に接続します。いつも通りエラー画面が出ますが、キャンセルボタンをクリックしてください。

エクスプローラーの「PC」の項目を見ると、下記のように「boot」というディスクが存在していることがわかります。ここをダブルクリックすると、中に「config.txt」というテキストファイルがあるので、メモ帳などのテキストエディタで開きます。通常は config.txt をダブルクリックするとメモ帳で開くはずです。


すると、下図のようなファイルが開かれますので、6行目の「#hdmi_safe=1」という行の先頭の「#」を削除し、上書き保存してメモ帳を閉じてください。

なお、古い Windows を用いているかたは、このファイルが正しく開けません(ただしく改行されて見えない)。その場合「サクラエディタ (V2 (Unicode版))」のように改行を正しく処理できるテキストエディタをインストールし、そのサクラエディタで config.txt を開くようにしてください。


さて、「#」を削除して保存したら microSD カードを Windows から取り外し、再び Raspberry Pi 4 に接続して電源を投入してみましょう。

今度はディスプレイに映像が映ったでしょうか。
ただし、映った場合も画面の解像度は低い状態かもしません。

現時点では、Pi 4 でディスプレイに映像が映らない場合にできることは以上です。
新しい情報が入ったら追記します。

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